和服の種類や着こなしのコラム-着物仕立処コトリ

着物仕立処 コトリ

午年コラム

和服の種類や着こなし、仕立ての事などを書き付けていこうと思います。

霜月  道行コートについて

 

道行コート

コートは外出時の塵除け、防雨、防寒用として、またおしゃれ着として使用されます。 道行コートとは、衿の形が角ばった物で、和服用コートとしてポピュラーな衿型です。 コートの寸法は、羽織の上に着用する場合は、羽織寸法を基準に割り出します。 長着の上にのみ着用する場合は寸法割り出しに注意が必要です。 要尺は羽織と同尺くらいで並幅物9m~10mの羽尺、もしくは着尺一反を使用します。 裏は並幅物で4.5m~5.7m程、大幅物で2.3m~3.0mを使用します。

神無月  羽織について

 

羽織

羽織というと男性の礼服、紋付羽織袴姿を思い浮かべます。女性も紋を付けて略礼装として用いることができますが、 正式礼装としては着用できないです。多くは普段着の塵除け、防寒用として用いられます。 羽織の寸法は長着の寸法を基準にしてきめますが、身丈は流行と好みによってきめられます。 最近は膝下の長めの丈が流行っているようですね。 要尺は表地が並幅物で9m~10mの羽尺、もしくは着尺一反を使用します。裏は並幅物で4.5m~5.7m程ですが、 羽織丈および表布丈の都合で長く必要な場合があります。

長月  女物袷長着について

 

袷長着

来月は衣替えの時期ですが、袷長着の準備はできていますか。 袷長着とは、単長着に裏を付けたものです。10月から5月初めにかけて着用します。 裏は胴裏、八掛を付けたものが多いですが、男物袷長着のように通し裏のものもあります。 八掛は同系色だと落ち着いた感じ、反対色だと遊び心のある感じになります。 ですから式服は共八掛(表地と同じ生地)が多く、紬物は色鮮やかな八掛が多いですね。 要尺は表地が並幅物で12m程(一反)、裏は胴裏が並幅物で850cm程、八掛が並幅物で400cm程です。 通し裏の場合は表地と同じ長さが要ります。

文月  子供物について

 

女児浴衣

子供物は、子供らしい可愛らしさを表すことを大切にします。 また成長が早いので、長く着れるよう大きめに仕立て、肩揚げ、腰揚げをして着用します。 成長に合わせて揚げをほどいていきます。裁ち方は、一つ身、二つ身、三つ身、四つ身、 別おくみ裁ち、本裁ち等ありますが、寸法、使用目的、在尺などを考慮して決めます。 子供の健やかな成長を祝って、宮参りや七五三、十三詣りなどいろいろ儀式があります。 この際用いる式服には、地域や習慣により違いがあり、一定していません。

水無月  男物単長着について

 

男物浴衣

男物は、身長から頭一つ分引いた長さ(着丈という)に作ります。女物のようにおはしょりで長さを調整することができないので、 丈は実際に羽織ってみて決めるのをお勧めします。その他、女物と大きく違うところは袖の形です。 女物は袖付けから下が開いていますが(振り)、男物は袖付けが長く、付けから下は縫い合わせてあり人形といいます。 布地は木綿、紬、お召し、盛夏にはゆかた、麻、絽、紗などがつかわれます。ウールは冬でも単仕立で着用できます。 要尺は並幅物で12m程(一反)、肩当や居敷当、背伏など必要に応じて使用します。

皐月  単長着について

 

単長着

単長着は5月中旬から10月初旬にかけて着用します。布地としては綿織り物、麻織物、絹織物、毛織物、化学繊維織物などあらゆるものが使われます。 長着は襦袢、羽織、コートなどの寸法を決める基礎となります。はじめて和服を誂える場合は、まず平常着の浴衣やウールなどを仕立てて着用され、 ご自身の着やすい寸法を見極めてから、式服などを仕立てられるのが良いかと思われます。 要尺は並幅物で12m程(一反)、広衿にする場合は裏衿(表地にあったもの)、肩当や居敷当、背伏など必要に応じて使用します。

卯月  長襦袢について

 

長襦袢

長襦袢は着くずれしないきもの姿をつくる着付けの土台になるものです。長着になじむ薄手ですべりのよい生地を用います。 形は袖、身頃共一枚の単仕立てのもの、袖二重、身頃一枚の袖無双胴単仕立てのもの、袖二重、身頃は裏付きの袷仕立てのもの、 衿が裾までつくものや、別衿のもの(上記写真)、対丈(長着の着丈より3cm程短い長さ)のものやおはしょりをして着るように長く仕立てるものなどさまざまあります。 男物は衿が裾までつく仕立て方が多いです。要尺は単物で10m前後、袖無双物で12m前後、身頃裏地5.7m程、別衿地1.5m程使用します。
着用時には地衿汚れの防止のため半衿をかけます。白半衿はよそゆき用、色半衿はふだん用という扱いですが、 最近は友禅染や絞り、刺繍にビーズといろいろなものがでています。

弥生  半襦袢について

 

半襦袢

半襦袢は裾よけと組み合わせて、長襦袢の代用として大変着やすいものです。普段着用として身頃にさらし木綿やネルを用い、 袖は襦袢用生地を使用します。身頃部分は木綿なので袖を取り外せばご家庭で洗濯できます。 要尺は身頃と衿に3.8m(衿に別生地使用の場合は3m)、単袖は2.3m前後、無双袖は4.6m前後使用します。

襦袢単袖 襦袢の単袖とは裏の付いていないもので、袖幅より多い縫い代を振りのほう(写真左側)で折り返し、くけてあります。
襦袢無双袖 襦袢の無双袖とは裏付きの二重になっているもので、振りのほうは裏を少し控えて縫い合わせてあります。

如月  裾よけについて

 

裾よけ

裾よけは腰の部分はさらし木綿、下(裾丈)の部分は絹、綿、キュプラ、ベンベルグ、レーヨン、ポリエステルなどが使われています。 長襦袢の汚れ防止のために長襦袢の下に着る物ですので、ご家庭で洗濯でき手入れが楽なものを選びましょう。 他にも保温、腰まわりの補正、裾さばきをよくして歩きやすくする、など多くの役目をになっています。 手入れが楽なレーヨンやポリエステルですが、静電気がおきやすいので裾さばきの点では難があります。 裾丈75cm腰布丈15cm、併せて90cmくらいの物を作るとして、要尺は裾丈部分に並幅物5.0m、腰布部分に並幅物1.5m程使用します。 腰布、前身頃、後身頃、衿のパーツで作られています。 半襦袢と裾よけを組み合わせて、長襦袢の代用とするのも着やすいものです。

睦月  肌襦袢について

 

肌襦袢

肌襦袢は長襦袢の下に着るものです。肌に直接あたるので通気性、吸湿性がよく洗濯のできるさらし木綿やガーゼを使ったものが多いです。 元々は長襦袢の衿などが汚れないように着ていたものですが、きものを着る機会の少ない近年では、むしろ衿足から肌襦袢が見えるのを嫌い、 肌襦袢の衿ぐりを大きくあけたものが好まれているようです。身丈53cm~60cmくらいの物を作るとして、要尺は並幅物(35cm~37cm)で3.5m~4.0m程使用します。 右袖、左袖、右身頃、左身頃、衿のパーツで作られています。 市販品がたくさんありますが、簡単な作りですので手作りされてみてはいかがでしょうか。

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